「わからない」問題が「わかる」ようになることは大切なことです。
一方で「わからない」問題が「わからない」ままでも、その事実を「わかる」ようになることも大切です。
何やら混乱しやすい話になってきましたが、要するにできなかった問題に対して、どこが間違いの原因だったかを調べ、今の自分に足りなかったものが何かを知ろうとすることが重要なのです。
あるBES塾の中学2年生の女子生徒の話です。
彼女は非常に真面目で勉強にも意欲的であり、頻繁に自習でBES塾に訪れるような生徒でした。
当然質問も積極的にしてくるのですが、その質問の仕方が「先生、この問題が分からないので教えてください。」というような聞き方でした。
しかし、その生徒が最近してきた質問の仕方が、「どうしてこの問題はこの単語だと不正解になるんですか?」といったものや、「この問題の答えの単語が複数形にならない理由を教えてください」など、質問の内容がかなり具体的なものになってきたのです。
こういった質問は、自分がどこまで理解できていて、どこからが分からなくなっていて、どこを聞けばいいのかがしっかりと理解できていないとできません。
勉強のやる気が落ちる原因の一つとして、ミスした問題の原因がどこにあるか分からず、どうやって解決すればいいのかも分からなくなるケースがあります。
「わからない」問題があったとき、どこが「わからない」のかが「わからない」ままで全てを丸投げして質問する場合と、どこまでができていてどこからが「わからない」のかが「わかっている」上で質問するのとでは大きな違いがあります。
前者は自分で問題解決する経験にならず、次第に解けない問題が増えてきて、勉強への意欲が無くなりやすいです。
後者は自分で理解できている部分もあることを知れて自信に繋がりますし、質問応対もスムーズになります。
また、分からないところが明確になれば自分で調べるときも答えが探しやすいので、一人で解決できる機会も増えていきます。
このように、「わからない」問題に対して、どこからが「わからない」のかが「わかる」ようになることは重要なのです。
当然ですが、どの生徒も最初からそんな具体的な質問はできません。
なのでBES塾では、例えば生徒から「この問題がわかりません」といった質問がきたとき、その問題に対してまずどこまでが理解できているのかを確認します。
我々講師が確認するのは勿論ですが、質問をしてきた生徒自身にもそれを意識させる意図があります。
その上でそこまでは理解できていることを認め、励まし、その後にある間違えた原因を、理由を添えて教えるようにしています。
そうして、生徒が問題解決能力を少しでも身に着くようにしています。