最近、ある女子生徒さんから次のような質問を受けました。
読書感想文を書くという課題で何をネタにして話をすればいいのか分かりませんという話でした。
好きな本を読めば自然と何かしら書けるのではと思いながら話を聞いていましたが、どうやらその読書感想文は理科に関係するもの限定という制限がありました。
その生徒は正直理科に対して特別興味を持っているタイプではありません。
むしろ、図書室で適当に重力の本を選んだのはいいものの、全く読む気がしないのでどこから書けばいいのか見当がつかないということでした。
そんな生徒さんに理科の教科書を見せ、女子が興味を持ちそうなコラムを見せました。
その箇所は宝石のコラムです。
ルビーとサファイアは色が赤と青で全く違う宝石に見えるものの、それを構成している物質は元々同じものからできているという話です。
他にも有名な話として、ダイヤモンドは炭と同じ物質でできているという話などを伝えたところ、「へえー」と驚いた様子でした。
他にも教科書を見ていたときに彼女が食いついたのは、ベーキングパウダーが過熱して膨らむことを紹介していたページを見て、料理と理科は関係が深いことを見つけました。
そんな風にして、これまで書くネタが全く思い浮かばなかった生徒も、普段意識しない教科書のコラムを改めて読んだ時に意外と面白い話が載っているということに気づいたのです。
普段生活している中で、学校での勉強が何の意味があるのかと疑問に感じ、勉強する気が起きないという子供たちはとても多いと思います。
しかしよく観察してみると、生活と勉強には多くの接点があることがわかります。
例えば、マンガやアニメに出てくるキャラクターの名前は、とある英単語を由来にしていたり、または歴史上の人物などをモチーフにしていたりと、英語や社会に関係しているものもあります。
勉強が嫌いでスポーツに打ち込みたいと思っていて、身体を動かすことさえ上手ければよいと考えていても、実はそんなことはありません。
より上手くなるために効率的な練習や考え方、物理学に基づく理論的な身体の動かし方、身体を鍛えるために必要な栄養学など、勉強と相反しそうなスポーツでさえも、学校の勉強は関係しています。
何も全ての教科で勉強を好きになれという話ではありません。
自分の好きなこと、興味を持てることを切っ掛けに自分で調べるだけでも、大きな一歩と言えます。
そこから得意教科が1つでも増えれば、そこから勉強に対する意識がより前向きになれます。