ある生徒さんから次のような質問がありました。
「数学の文章問題ってどうやればできるようになるんですか?」
曰く、文章から式を作ることができないというものでした。
現在、実力テストや高校入試では数学においても読解力が求められる問題が増えてきています。
2020年、2021年3月に行われた県立入試はその傾向が顕著に見られる形式でした。
学校で行われる実力テストもそれに合わせた形式になったため、数学の平均点が約30点になることも多く見られました。
このような状況において、文章や図などから式を作るという能力は非常に重要と言えます。
本題ですが、どのようにすればその能力を鍛えることができるのでしょうか?
それは、最初に作る式の数や文字などが何を表しているのかをしっかり理解しようとすることです。
例題を挙げます。
ある道のりを行きは分速400mで進み、帰りは分速500mで同じ道を戻りました。
かかった時間は行きと比べて帰りの方が3分短い時間で到着しました。
このとき、行きにかかった時間は何分でしょうか?
この問題を解くための式の1例が以下のものになります。
400x = 500(x―3)
どうしてこの式が出来上がったのか考えてみましょう。
Q:xは何を表しているのか?
A:この問題で問われている行きにかかった時間をxとして式を作ろうとしています。
Q:400xは何を表しているのか?
A:速さ×時間 で道のりの値を求めています。
Q:x-3は何を表しているのか?
A:帰りにかかった時間です。行きよりも3分短いので、行きの時間の値から3引いています。
Q:何故イコールで結んだ式なのか?
A:同じ道を行き来しているため、行きと帰りの道のりは同じです。
左辺では行きの速さと時間から、右辺では帰りの速さと時間からそれぞれ道のりの式を作っています。
今回の例題の式からはこのような疑問や、それに対する解答があります。
数学の文章問題が苦手だという方は、できない問題があったときに模範解答を見て、その始まりの式がどうしてそのようにできたのかを考えてみましょう。
その理由を細かく理解できるようになってくると、数学が少しずつ楽しくなってきます。
文章問題を解けるようになって、ライバル達に差を付けられるようになりましょう!