「今からでも間に合いますか?」
この時期になると、そんな相談をよく受けます。
たしかに、中3の夏から受験勉強を始めるのは、早いとは言えません。
でも、間に合うかどうかって、やってみないとわからないことも多いんです。
実際、こんな生徒がいました。
部活を引退した直後、夏休みの前に入塾した男の子。
成績は…正直に言えば、かなり厳しいところからのスタートでした。
模試の判定はずっとEで、周囲からも「その志望校はさすがに無理でしょ」と言われていたそうです。
でも、彼にはスポーツで培った体力と根性がありました。
「やるからにはちゃんとやってみたい」という素直な気持ちも持っていました。
勉強のやり方を少しずつ身につけていき、授業後に残って質問したり、コツコツ復習したりしていました。
点数はすぐには伸びませんでしたが、確実に少しずつ上がっていきました。
そして迎えた春。
みんなが「無理だ」と思っていた志望校に、彼は本当に合格しました。
合格の報告に来てくれたとき、
「ほんとに受かったんですよ!」と本人が笑っていて、
お母さんと一緒に大笑いしていたのが、とても印象的でした。
あれから、毎年思います。
「間に合いますか?」という質問に、はっきり答えられることは少ないけれど、
やると決めて動き出せば、間に合うこともたくさんあるんだ、と。
大事なのは、「今の成績」より「これからどうするか」です。
焦らず、でも止まらず。そんな夏になったらいいなと思います。