最近の入試問題は高校入試、大学入試問わず多様化していきています。
特に読解力が無いと解けない問題が増えてきている印象を受けます。
これまでは理科社会などで単語の暗記をすれば点数が取れていたような問題が段々と減り、問題文中に登場する人物の会話を読み取って問題に答えるケースが増えています。
単純に暗記するだけでは真の学力は身に付かない、そのような考えのもとに入試問題が少しずつ変化してきています。
数学の角度の計算問題を解いていた生徒の話です。
図にかいてある角度の大きさを計算して答えるという、よくある問題でした。
問われている角度は明らかに90°より小さい鋭角の見た目をしていましたが、とある生徒の解答は90°より大きい鈍角の答えを書いていました。
図を見るだけで答えることができないのは当然だとしても、直角より小さいか大きいかで自分の答えが合っているかどうかの判断はできるはずです。
しかしその生徒は自分の答えに疑問を持つことなく、次の問題に進んでしまいました。
このようなミスに気付くことができない生徒は、問題の計算で出た答えの数字の「意味」を深く考えていないことが多いです。
この計算で出た数字は何を表しているのか? 距離? 時間? 重さ? 体積? どこの辺の長さ?
いわゆる算数や数学が得意な生徒はそのあたりのことを無意識下でも理解しており、それゆえに自分の計算がおかしい場合に気づくことができるのです。
逆に基本計算問題だけ上手な生徒は式の意味を深く考えないため、どういう式を組み立てればいいのかが分からず、文章問題が解けないということになりがちです。
これを克服するには、今自分が何を求めようとしているのか、それを求めるためには何が必要なのかということを意識して考えていく訓練が必要になります。
1つの問題に対してあれこれ考えることになりますから、当然簡単な話ではありません。
しかし逆に言えば、ライバルとなる他の受験生に大きな差を付け、簡単に追いつかれないようになるということです。
文章問題が苦手だけれどどうすれば上手くなるのか分からないという方は、今から少しずつでも数や式の意味について考えるようにしてみてはいかがでしょうか。