最近は中学受験を目指す生徒が増えてきています。
中学受験の問題を解くためには高い学力はもちろん、柔軟な考え方や自分の考えを文字に起こす力なども重要です。
今回は実際に第二次世界大戦で起きた出来事を元にした、ある問題を出します。
生徒の皆さんはだけでなく、保護者の皆さんも考えてみて下さい。
第二次世界大戦の連合軍は戦闘機がなるべく撃墜されないようにするために、以下のような調査をしました。
基地に帰還した戦闘機を調べ、どこに多くの銃撃を受けたのかを細かくチェックしたのです。
すると、戦闘機の主翼部分や側面の部分に多くの銃撃を受けた様子が見られたのです。
戦闘機の一部分を補強しようとするとき、実際の連合軍は主翼や側面ではなく、それ以外の部分を補強したのです。
どうして攻撃を多く受けた場所以外を補強したのでしょうか?
その理由を考えるのが今回の問題です。
一見すると間違ったことをしている問題に見えます。
しかし、よく考えると連合軍のしたことは正しいのです。
大人でも間違いやすいこの問題、答えは分かりましたでしょうか?
正解は、「銃撃を多く受けた場所は補強しなくても無事に帰還することができている。逆に銃撃の後が見られなかった部分は、実際にその部分を攻撃されると戦闘機が撃墜されてしまい、帰還することができなかったことを意味する。よって、撃墜されないようにするには生還した戦闘機が攻撃されなかった部分こそ補強する必要があるため。」です。
この話は「生存者バイアス」という名前の事例として挙げられています。
このような意見や見方のかたよりは、生活の中でも色々な場面で起こりえます。
例えば、「あなたは映画が好きですか?」というアンケートをするとき、映画館の入口でアンケートをしたとします。
わざわざ映画館まで足を運んで来ている人だけを対象にすれば、アンケート結果がかたよるのも納得できると思います。
世の中の色々な出来事に対して疑問や考えをすると、興味深い視点や意見があります。
普段の勉強も大事ですが、そういったことも考えてみると様々な考え方が浮かぶようになってきます。
ぜひ世の中の色々な場面で考える力を養っていきましょう!