英語は日本語と文の構造が大きくことなり、また三人称単数のsやbe動詞など日本語には無い要素があります。
また単語や熟語が表すニュアンスにも、学校の英語の授業では語られない細かな違いがあります。
実際に英語を勉強していて、「あれとこれは何が違うんだ?」と疑問に思った経験はないでしょうか。
今回の話は中学2年生で習う、助動詞mustとhave toの違いです。
通常の授業では、この2つは「~しなければならない」とどちらも同じ意味で捉えられています。
果たしてこの2つは同じなのでしょうか?
ここで試しに、「私は宿題をやらなければならない」という文を英語で書いてみます。
I must do my homework.
I have to do my homework.
この2つは同じ意味に見えますが、ネイティブが聞いた時に感じるニュアンスは結構違います。
mustは「自分自身で、「やらなければならない」という意志を持っている」ニュアンスを含んでいます。
つまり、I must do my homework.は、「宿題をやらないとまずい。ちゃんとやらなければ」と自分でしっかり思っているので、この文を受け取る側としては「宿題をやる必要性をちゃんと分かっているんだな、偉いな」と感じます。
一方have toは「一般的、客観的に「やらなければいけない」ものであって、自分がそう思っているわけではない」という意味を持っています。
つまりI have to~と書いた文章では、ふつう「本当はやりたくない、嫌でもやらなければならないもの」という気持ちがこもっていることになります。
なのでI have to do my homework.の方は、「嫌々ながらやらされているんだな」というように受け取られてしまうのです。
また話が少し逸れますが、似たような意味の助動詞should「~するべき」という単語もあります。
I should do my homework. という文では「私は宿題をするべきだ」という意味になります。
ただしI should~の文は「やるべきだと思っているだけで、結局やらない」という意味合いが強いです。
なので口だけの人間だと思われてしまいかねない、使わない方が無難な表現です。
まとめると、今回は主語がIの場合に限りますが、まとめると
I must~ 自分の意志で「やらなければ」と思っている。
I have to~ 内心で「やりたくない」と思いつつも、一応やる。
I should~ 「やるべきだ」と思いつつも、大体はやらないままで終わる。
というニュアンスがあります。
こう聞くと、今まで同じ意味だと思っていた表現が実はかなり意味合いが異なっていると感じたのではないでしょうか。
普通の学校のテストではこんな細かい違いまで話すことは中々無いと思います。
しかしこういった話から英語に興味を持つようになると、勉強に対する意欲が変わることもあります。
普段の授業でふと感じた疑問を突き詰めると、それが意外と面白いこともありますよ。