最近外国で日本語の人気が高まってきています。
その理由にはアニメやマンガの人気も関係していますが、それだけではありません。
実は日本語を使うようになると、相手を思いやれる人間になれるというのです。
にわかには信じられない話かもしれませんが、以下のような理由があります。
1つは、動詞(述語)が最後にある点です。
英語と比較すると、主語が先頭にあるところまでは同じですが、英語は次に動詞がきます。
たとえば、「I like ~」と言った場合、聞いている側は「ああ、この人は自分の好きなものについて話そうとしているんだ」ということが聞いている途中でわかります。
その点、日本語では「私は~~~~~~が好きです」と、最後まで話を聞かないと自分が好きなものについて話をしているかどうかがわかりません。
これが否定文であれば、英語では「I don’t like ~」と動詞よりも更に前でわかりますが、日本語では「私は~~~~~~が好き『ではありません』」と、動詞よりも後でわかるのです。
効率でいえば英語などの言語の方が高いといえます。
しかし、動詞や否定の有無が最後にあるということは、自然と相手の話を最後まで聞くようになります。
また、相手の話を聞く時間が長くなるということは、その間に自分が考えることができる時間も増えることになります。
そのため、よりしっかり考えた上での意見を言いやすくなるのです。
2つめは、遠回しな表現や直接ものを言わない傾向があることです。
これも効率という意味では良くない点ではあります。
しかしそのような表現が日常的に行われる環境で生きていると、自然と相手の感情を読み取る必要がある場面が増えます。
それがたとえ間違っていたとしても、相手の立場で考える経験を積むことで、人として良い成長をもたらしてくれるでしょう。
そのため日本語は使っていると思いやりを持てる人間になりやすいのです。
世界的にも日本人は思いやりがあり、「おもてなし」の文化があると評価されています。
その精神を育んだのは、実は日本語の特徴があってこそかもしれません。
実際、上記の2つの特徴を持った言語はまず見られないそうなのです。
そんな日本語を使っている私たち日本人も、この日本語のすばらしさを意識しながら生きていきたいものですね。